2011年01月15日
R・I・S・K ~No.15&エピローグ~
少年達は、その男を見て顔を青くし、腰を抜かしそうになりながら逃げていった。
「うっ…!」
その男は、あの暴力教師の大瀬だった。大瀬は、司達から集団リンチを受けた後、生徒達に暴力を振るっていた事がバレて『懲戒免職』となり、教師としての資格を剥奪されてしまったのである。
更に、ショックを受けた妻と子供達は、大瀬のもとを去ってしまい、大瀬の、司達に対する『逆恨み』は、計り知れなかった。
「お前らみたいな人間のクズは、俺がこの場で成敗してやるっ…!」
大瀬はそう言いながら、家から持ってきた出刃包丁を、ゆっくりポケットから取り出し、握りしめると、不気味な笑みを浮かべた。
「やっ、やめろっ…!」
司は、恐怖のあまり腰が抜け、動けなくなってしまった。次の瞬間、大瀬は司の腹にめがけて包丁を振り下ろした。
「この虫ケラどもがーっ…!」
大瀬は、気でも狂ったかのように笑い叫びながら、抵抗出来なくなった司の体を、何度も突き刺した。
警察が駆けつけた時、大瀬は身体じゅうに返り血を浴び、笑っていた。大瀬はすぐに、殺人未遂の現行犯で逮捕された。
司は、救急車で運ばれ、一命を取りとめたものの、ショックのあまり気が狂ってしまい、傷がある程度軽くなると、精神科病棟へ移された…。
病院に顔出しに来ていた文人から司の話を聞かされた竜次は、背筋がゾッとした。
――一歩間違えてたら、俺と洋次も…――
そう思いながら、窓の外の景色を眺めていた。
「植村さんね、番長を引き受けたみたい♪ これからは、今までみたいなカツアゲとか、集団リンチとかさせないって、そう言ってたよ♪」
「…そうか…。アネゴなら、大丈夫だろう…」
竜次は、フッと笑いながらそう言った。
文人は、眠くなったのか、あくびをしながら竜次のベッドに潜り込んだ。
「あったか~い…♪」
文人は、ニコッと笑いながら、スヤスヤと眠ってしまった。
「おいっ、文人っ…?」
竜次は、慌てて起こそうとしたが、文人が気持ち良さそうに眠ってしまったので、やめておいた。竜次は、文人の安心しきった寝顔を見て、顔を真っ赤にした。
――まったく…――
竜次は、文人を思わずギュッと抱きしめたまま、そのままウトウトと眠ってしまった。
その時、珍しく顔出しに来ていた好美達は、病室に入ろうとした際に2人の様子を見てしまい、足音を立てないよう、ソ~ッと入ってきた。
「ホント、仲良いんだね~♪」
好美は、小声でそう言い、笑い出しそうになるのを必死で堪えていた。
「あっ♪ そ~うだ♪」
洋次は、カバンの中から使い捨てカメラを取り出し、ニヤッと笑みを浮かべた。そして、二人の寝顔を、何枚か写した。
「ちょっと、洋次、やめなってば…!」
忍も、そう言いつつ笑いすぎてお腹が痛くなってきた。
3人は我慢の限界になり、急いで病室を出てロビーに来ると、一斉に笑い出した。
エピローグ
竜次が退院する日、文人だけでなく、好美と忍、洋次も病院に来ていた。
その際、文人以外の3人は、ニヤッと笑みを浮かべていた。
「何? どうしたんだ?」
竜次が不思議そうに首をかしげると、洋次は、カバンの中から写真を取り出した。その写真は、病室のベッドで竜次と文人が抱き合って眠っている時に、洋次がこっそり写したものだった。
竜次と文人は写真を見て、カァーッと顔を真っ赤にした。
「洋次~っ、お前な~っ!」
「ゲッ! ヤバいっ!」
竜次が顔を真っ赤にして怒りまくったので、洋次は逃げ回り、竜次は松葉杖を放り投げて追いかけた。文人は、慌てて松葉杖を拾うと、竜次の後を追った。
その時、竜次は階段から足を踏み外した。
「危ないっ…!」
文人は、思わず手を伸ばし、竜次の服を掴んだが、バランスを崩し、竜次と一緒に勢いよく階段から転げ落ちてしまった。
「ちょっと、大丈夫っ…?」
好美が竜次を起こした際、竜次は、脚に激痛が走ったのか、かなり痛がっていた。文人も、左腕を押さえながら起き上がっていた。
急いで2人を検査した結果、竜次は治りかけていた脚の骨が再び骨折してしまい、文人は左腕の骨にヒビが入っていたので、2人とも同じ病室に入院する事になってしまった。
2人が退院する頃、札幌にもようやく春が訪れていた…。
「うっ…!」
その男は、あの暴力教師の大瀬だった。大瀬は、司達から集団リンチを受けた後、生徒達に暴力を振るっていた事がバレて『懲戒免職』となり、教師としての資格を剥奪されてしまったのである。
更に、ショックを受けた妻と子供達は、大瀬のもとを去ってしまい、大瀬の、司達に対する『逆恨み』は、計り知れなかった。
「お前らみたいな人間のクズは、俺がこの場で成敗してやるっ…!」
大瀬はそう言いながら、家から持ってきた出刃包丁を、ゆっくりポケットから取り出し、握りしめると、不気味な笑みを浮かべた。
「やっ、やめろっ…!」
司は、恐怖のあまり腰が抜け、動けなくなってしまった。次の瞬間、大瀬は司の腹にめがけて包丁を振り下ろした。
「この虫ケラどもがーっ…!」
大瀬は、気でも狂ったかのように笑い叫びながら、抵抗出来なくなった司の体を、何度も突き刺した。
警察が駆けつけた時、大瀬は身体じゅうに返り血を浴び、笑っていた。大瀬はすぐに、殺人未遂の現行犯で逮捕された。
司は、救急車で運ばれ、一命を取りとめたものの、ショックのあまり気が狂ってしまい、傷がある程度軽くなると、精神科病棟へ移された…。
病院に顔出しに来ていた文人から司の話を聞かされた竜次は、背筋がゾッとした。
――一歩間違えてたら、俺と洋次も…――
そう思いながら、窓の外の景色を眺めていた。
「植村さんね、番長を引き受けたみたい♪ これからは、今までみたいなカツアゲとか、集団リンチとかさせないって、そう言ってたよ♪」
「…そうか…。アネゴなら、大丈夫だろう…」
竜次は、フッと笑いながらそう言った。
文人は、眠くなったのか、あくびをしながら竜次のベッドに潜り込んだ。
「あったか~い…♪」
文人は、ニコッと笑いながら、スヤスヤと眠ってしまった。
「おいっ、文人っ…?」
竜次は、慌てて起こそうとしたが、文人が気持ち良さそうに眠ってしまったので、やめておいた。竜次は、文人の安心しきった寝顔を見て、顔を真っ赤にした。
――まったく…――
竜次は、文人を思わずギュッと抱きしめたまま、そのままウトウトと眠ってしまった。
その時、珍しく顔出しに来ていた好美達は、病室に入ろうとした際に2人の様子を見てしまい、足音を立てないよう、ソ~ッと入ってきた。
「ホント、仲良いんだね~♪」
好美は、小声でそう言い、笑い出しそうになるのを必死で堪えていた。
「あっ♪ そ~うだ♪」
洋次は、カバンの中から使い捨てカメラを取り出し、ニヤッと笑みを浮かべた。そして、二人の寝顔を、何枚か写した。
「ちょっと、洋次、やめなってば…!」
忍も、そう言いつつ笑いすぎてお腹が痛くなってきた。
3人は我慢の限界になり、急いで病室を出てロビーに来ると、一斉に笑い出した。
エピローグ
竜次が退院する日、文人だけでなく、好美と忍、洋次も病院に来ていた。
その際、文人以外の3人は、ニヤッと笑みを浮かべていた。
「何? どうしたんだ?」
竜次が不思議そうに首をかしげると、洋次は、カバンの中から写真を取り出した。その写真は、病室のベッドで竜次と文人が抱き合って眠っている時に、洋次がこっそり写したものだった。
竜次と文人は写真を見て、カァーッと顔を真っ赤にした。
「洋次~っ、お前な~っ!」
「ゲッ! ヤバいっ!」
竜次が顔を真っ赤にして怒りまくったので、洋次は逃げ回り、竜次は松葉杖を放り投げて追いかけた。文人は、慌てて松葉杖を拾うと、竜次の後を追った。
その時、竜次は階段から足を踏み外した。
「危ないっ…!」
文人は、思わず手を伸ばし、竜次の服を掴んだが、バランスを崩し、竜次と一緒に勢いよく階段から転げ落ちてしまった。
「ちょっと、大丈夫っ…?」
好美が竜次を起こした際、竜次は、脚に激痛が走ったのか、かなり痛がっていた。文人も、左腕を押さえながら起き上がっていた。
急いで2人を検査した結果、竜次は治りかけていた脚の骨が再び骨折してしまい、文人は左腕の骨にヒビが入っていたので、2人とも同じ病室に入院する事になってしまった。
2人が退院する頃、札幌にもようやく春が訪れていた…。
Posted by ステラ☆ハート at 14:51│Comments(0)
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